【2018年度版】これだけは知っておきたい!測定機選びの三大原則!

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帯に短し襷(たすき)に長し。

中途半端で役に立たないこと、のたとえです。あれもこれもと欲張ったあげく、どれも満足できない残念な状況を指します。

私たちが測定機を選ぶときにも、ややもするとこんな状況におちいりがちです。測定の目的にあった最適な測定機を選び、適切に利用しなければ、正しい測定はできません。選び方、使い方に問題があるのに測定機自体に不満を抱いたり、測定を軽視したりするのは非常にもったいないことです。このコラムでは、こういった状況を避けるために、押さえておきたい「測定機選びの三大原則」について解説していきます。

この三大原則をしっかりと理解し、測定機を選ぶときにぜひ役立ててください。

人はどうしても万能薬を求めてしまう

三大原則の説明の前に、少し背景の話をします。
人はどうしても、ひとつのやり方、道具で何にでも対応できるような、いわゆる「万能薬」のようなものを求めてしまいがちです。

万能薬

しかし、多くの場合、「万能薬」はベストな結果にはつながりません。どんなことにもそれぞれに適したやり方や道具があり、その選択を間違えると、全く意味がなかったり、効果が大きく損なわれたりします。「帯に短し襷に長し」ということわざは、まさにこのような状況を表して、それを戒める意味合いで使われます。

一方で、それぞれに適したやり方や道具がというのは、ほかのことへの転用は難しく、汎用性は低いことも多いのですが、少なくとも、目的のことに対しては「特効薬」のごとく、十分満足に対応できます。こちらは「適材適所」、ということになるでしょうか。

これらのことわざ、製造業のモノづくりの業務についても当てはまります。各種の製造装置、加工機などにはそれぞれ得手不得手がありますが、製造、加工内容に合わせて適切な製造装置、加工機を選び、使いこなして良いモノを作るのは、製造業でモノづくりを担当する方々にとっては、言うまでもなく当然のことでしょう。

さて、今さらりと「当然」と書きました。おそらくこの記事を読まれている方も、特に違和感はなかったと思います。ですが、これが製造装置や加工機についてではなく、測定機に対してだったら、いかがでしょうか。同じように違和感なく納得できそうでしょうか。

測定機は利益を生まない、という考え方ではいけない

実はここ、理屈では同じだと理解しているつもりでも、何となく心情的に納得できないという考えの方は、意外と多いのです。製造装置や加工機は利益を生み出すもの、測定機は不良品を見つけ出すことによって利益を削るもの、ということですね。何らかの測定をしない限り、不良品は見つかりませんから「ない」のと同じです。品質は製造、生産工程で作り込むもの、という考えの元、正しく製造されたモノの中に不良品など存在しない、だから測定など必要ない、というわけです。

品質は価値

事実、日本の製造業のモノづくり品質は、国内のみならず世界からも高いとの評価を受けてきました。特に日本製の部品や加工品などはバラつきが少なく、かつ高いレベルで安定していることが多いため、安心して採用できる、との実感をお持ちの方も多いと思います。しかし、一方で、中国をはじめとするアジア各国で製造される部品や加工品も、近年どんどん品質が向上し、相対的に日本製に見劣りしないどころか、凌駕すると思えるものも増えてきています。しかも特徴的なのは、これら海外製の部品、加工品には高い確率で「測定/検査成績書」のような書面が添付されており、場合によっては全数検査されていたりします。つまり、品質の向上(高さ)を測定結果という形で証拠として提示しているわけです。高品質で認知されている日本製品に対抗するには、価格だけではなく、品質で劣らないこと(同等以上)を「数値で示す」ことが効果的、ということかもしれません。

高品質という確固たる「イメージ」のある日本製品、特に高品質のイメージは持っていなかったが、実際には高品質の「証拠」がある海外製品。…イメージだけでいつまでも対抗できる、訳はありませんね。さらにここ最近、国内において品質管理データの改ざんや偽装など、品質に対する意識の低下が懸念されるニュースが続いています。もちろん、ほとんどのモノづくり企業においては、このような不正やずさんな管理はない、と信じたいところですが、とはいえ、高品質が「イメージ」でしか担保されていない状態では、これから先、いままでと変わりなく取引先から信用してもらえるか、新しい取引先探す際に不利にならないか、かなり不安と言わざるを得ないでしょう。

製造から品質まで責任を持つ

このように考えてきますと、改めてモノづくりとは、「モノを作った後にその品質を確認し、証拠を残す作業まで」含めて捉えなおすべきだろうと感じます。

つまりは製造装置などと同様に、測定に対しても、目的に応じた適切な方法や道具(測定機)を選ばなければならない、ということです。万能薬ではなく「特効薬」、先の例でいえば「適材適所」でなければいけません。「利益を生まないからできるだけ安く、その辺にある既存の測定機で適当に済ませたい」ではいけないわけです。とはいえ、これまであえて重視してこなかった測定機を「さあ選べ!」と言われても、そのための考え方や手がかり、指針などがないと、何から手を付ければよいのかわからず困ってしまいますね

これだけは知っておきたい!測定機選びの三大原則!

三大原則

大変前置きが長くなってしまいました。それでは本題。測定機を選ぶ際の考え方、手がかりの大前提としてぜひとも押さえておきたい、「測定機選びの三大原則」をご紹介しましょう。 ※以降、測定機として主に「寸法を測る測定機」を念頭に説明していきます。

1. 必要十分な精度を正しく把握する

当たり前だろ!と思われますか?実は、必要“十分”というところがポイントで、意外とここが押さえられていないことが多いのです。「測定機の精度なんて、図面や部品の要求精度より高ければ高いほど良いに決まっている」わけではありません。必要“以上”に高精度なものは、必要“以上”に高価です。高価すぎると簡単には買えないので、あきらめて、「測定なんてしなくても大丈夫だろ、たぶん…」という理屈に戻ってしまうようでは、もはや思考停止です。こうならないように、むやみに高い精度を要求しないようにしましょう。“十分”の目安としては、図面や部品の要求精度の数分の一~十分の一と考えておけば良いでしょう。

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